2022年9月27日 火曜日
北海道旅行4日目 遠征登山3座目
斜里岳
1,547 m
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※地図をクリックするとルートを引いた国土地理院の地図を参照できます。
コースタイム
清岳荘 5:25 ⇒ 下二股 6:40 ⇒ 8:50 上二股 8:55 ⇒ 9:35 馬の背 9:40 ⇒ 10:10 斜里岳 10:50 ⇒ 馬の背 11:10 ⇒ 11:35 上二股 11:40 ⇒ 12:40 熊見峠 12:45 ⇒ 13:35 下二股 13:40 ⇒ 清岳荘 14:40
5:25 清岳荘 駐車場 (標高 680m)
予報通り、早朝から晴れていてテンションが上がった。昨夜車中泊をしたのは、未明に入ってきた車を含めて3台のみ。5:25 駐車場を出発。
コンクリート造りの清岳荘は昨夜から閉まっていた。今年の営業はもう終わっていたのかもしれない。
神社にお参りしてスタート。
登山口は清岳荘のすぐ隣だった。
登山道に入ってしばらくすると車道歩きとなる。
北海道らしい大きなフキの葉が目に付いた。
道標に従って、車道から登山道へ。
再び登山道に入るとすぐ沢に出た。
沢沿いの道となってからは渡渉の連続となった。
赤テープを確認しながら進む。短いがへつるように進む場所もあった。
何度も沢を渡渉しながら進む。妻がストックに体重をかけすぎるので、見ていてハラハラした。
仙人洞を通過。道庁のHPによると、斜里岳を形成している火砕岩の層が浸食を受けて作られた洞窟らしい。
何度も渡渉を繰り返しながら進んだ。ここ数日は晴れ続きなので特に心配はしていなかったが、沢の増水もないようだった。
どれが斜里岳かなぁと思いながら山頂方面を眺めていたが、馬の背あたりまで行かないと山頂は見えないと後で知った。
6:40 下二股 (標高 845m)
旧道と新道の分岐となる下二股を通過。沢沿いの旧道コースを進んだ。
旧道に入ってからは滝の両岸を上っていくことが多くなる。
大振りの葉状体をしたコケ。緑色をした岩茸のようだ。
大岩も乗り越えていく。
滑りやすいナメ床は注意して進む。
落差10mほどの羽衣の滝。
滝の右岸にルートがあった。
右手には轟音で流れ落ちる羽衣の滝。
羽衣の滝の上部は、滝のすぐ横を上る。道庁のHPによると、羽衣の滝は、溶岩流の板状節理の上を水が流れることによってできたナメ滝で、20~30度の傾斜で流れ落ちているとのこと。
滝の上で左岸へ渡渉した。
樹木に遮られた場所も慎重にクリアしていく。
普通の登山靴でも上れる沢登りといった感じの道が続いた。
万丈の滝の左岸を上る。方丈の滝も羽衣の滝と同じく、溶岩流の板状摂理によってできたナメ滝。滝の右に見える妻の姿が点景となって、滝の大きさが分かる。
再び右岸に渡渉して、さらに滝の横を上っていく。見晴の滝付近と思われる。
見晴の滝付近から眺めたオホーツク海と清里町方面。
七重の滝付近と思われるが、様々なサイトを調べても、この辺りはサイトによって記述や写真に違いがあって定かではない。ナメ滝ではないので、見晴の滝かもしれない。
間違いないのは、次々と素晴らしい滝が出てくることだ。
霊華の滝と思われる大きな滝が出てきた。
右奥は竜神の滝。道庁のHPでは、"七重の滝の脇に位置するのが「竜神の滝」"とあるので、大きな滝は七重の滝の可能性もある。
霊華の滝 (もしくは七重の滝) の右岸を上っていく。
これほど滝のすぐ近くを上っていくコースは初めだったが、とても楽しかった。
上から眺めた霊華の滝 (もしくは七重の滝) 。足を滑らせたら大変だ。
道庁のHPでは、"旧道コースで最後に出てくる滝が「霊華の滝」"とあるので、少し小さい気もするが、こちらが霊華の滝という可能性もある。
いずれにしても、見ごたえのある滝の連続であった。
沢から離れたのでもう終わりかな、と思ったら、再び沢沿いの道となった。
もしかして斜里岳かなと思っていたが、まだ斜里岳の山頂は見えていない。
上二股の手前は、沢が登山道といった感じであった。
8:50 上二股 (標高 1,230m)
新道と合流する上二股に到着。5分ほど休んでから先へ進んだ。
上二股のトイレブース。
沢から離れて低木帯を進むと、胸突き八丁の急坂となった。
前方の北東方面に馬の背が見えてきたが、まだ斜里岳の山頂は見えない。
南東側に1508mピークが大きい。南斜里岳は1508mピークの後ろにある。
南西方面には昨日の登った雌阿寒岳がうっすら見えていた。
馬の背手前のガレた急坂を上っていく。
9:35 馬の背 (標高 1,430m)
ガレの急坂を上り詰めて馬の背に到着。ようやく斜里岳の山頂 (右奥) が見えた。
北東側に海別岳 (うなべつだけ) が見えた。
海別岳の左奥には、羅臼岳や硫黄岳など知床連山が見えていた。
馬の背でひと休み。
いよいよ山頂へ向かう。
山頂まではまだ距離があると思ったが、馬の背から山頂までは早く感じた。
岩ガレの急坂を上る。
先ほどまでいた馬の背が小さくなっていく。
山頂手前の肩には、斜里岳神社の奥宮が祭られていた。
斜里岳神社の奥宮。スチール製のように見えた。
お社を過ぎるとと山頂まではひと上り。
山頂前のザレ場を上る。
山頂が晴れていると上りの苦労がすべて報われる。
10:10 斜里岳山頂 (標高 1,547m)
山頂に到着。この日もまた素晴らしい山に登れて、心が躍るような喜びを感じた。
南側の眺め。真ん中に1508mピークでその左が南斜里岳。右奥には標津岳 (しべつだけ) も見える。
東側の眺め。右奥は武佐岳 (むさだけ) 。
北東側の知床方面には海別岳が見える。
北側には斜里町の街並みとオホーツクの海。
南西側には摩周湖 (左) と屈斜路湖 (右) が見えていた。
うっすら見えていた摩周湖。
独立峰の山頂だけあって、はるか先まで見渡せる360度の大展望であった。コンビニのおにぎりを食べて、しばし至福の時を過ごした。
山頂で見かけたヒオドシタテハ。
10:50 下山開始
名残惜しいが下山後の移動もあるので、早めに行動を開始した。
下りも素晴らしい展望の連続だった。
私の腕に留まって、しばらく休んでいたクジャクチョウ。こんなこともあるのかと驚いた。
雄大な景色を眺めながら下る。眼下には馬の背が見えた。
ガレ場は注意して足を運ぶ。
ハイマツ帯を抜ける。
11:10 馬の背を通過。
ザレの急坂を慎重に下る。
ザレ場から低木帯へ続く胸突き八丁の急坂をどんどん下った。
胸突き八丁の標示板を過ぎると傾斜はゆるくなって上二股は近い。
11:35 上二股 (標高 1,230m)
上二股の携帯トイレブース前で小休止。
沢沿いの旧道コースを下りに使用するのは危険なので、上二股からは新道コースへ進んだ。
背後の斜里岳が遠くなっていく。
ハイマツ帯のゆるやかな上りが続いた。
熊見峠までは思いのほか上りが続き、妻はかなりしんどそうだった。
新道コースをしばらく進むと、隠れていた斜里岳山頂も見えてきた。
3つのピークの真ん中が斜里岳山頂。高度を下げるとすぐに隠れてしまう。
眺めのよいハイマツ帯の稜線歩きが続いた。
ゆるやかなアップダウンが続く。
何度も足を止めて周囲の景色を写真に収めた。新道コースも素晴らしかった。
次のピークが熊見峠かな、と思うような偽ピークがいくつかあった。
熊見峠の少し手前のピークから尾根にのびる新道コースが一望できた。
東側の1508mピーク (左)。
次こそは熊見峠と思っていた妻は、まだ先だと分かって腰を下ろしてしまった。
気を取り直して先へ進む。
妻がかなりペースダウンしてきたので、先に歩いて写真を撮りながら上ってくるのを待った。
眼下に上ってきたルートが見えた。熊見峠はハイマツのトンネルを抜けた先だった。
12:40 熊見峠 (標高1,230m)
熊見峠までの上り返しはキツかったが、展望のよい尾根歩きは素晴らしかった。
5分ほど休んでから先へ進んだ。
熊見峠からは一気に下る。
稜線の先に、木々を伐採した謎の四角が並んでいた。
ハイマツ帯を過ぎて、樹林帯の下りに入った。
綺麗に黄葉したミネカエデ。
険しい急坂が続いた。
樹林帯の急坂をどんどん下っていく。
13:35 下二股 (標高 845m)
下二股で旧道コースと合流した。
5分ほど休んで下山再開。
下二股の少し先にある初代清岳荘跡。
再び渡渉の連続となった。
疲れを感じ始めていたので、転ばないように注意して進んだ。
沢を離れて樹林帯に入った。
ついに林道に出た。
林道に出るともう着いたような気になったが、疲労のためか、最後の林道歩きがやたらと長く感じられた。ちなみに林道に出てから清岳荘までの距離は700mほど。
14:40 清岳荘
清岳荘に到着。
天気にも恵まれて、素晴らしい山行になった。下山後は、道の駅 ハバスランドさっつるの温泉で登山の汗を流して、次の目的地である旭川へ移動した。
道の駅 パパスランドさっつるの駐車場から、夕陽に染まる斜里岳が見えた。

北海道旅行4日目。この日も朝から快晴で、言うことなしの登山日和だった。登山口に車中泊して早朝に出発したので、前後の登山者を気にすることなく沢登りや渡渉に集中することができた。上りはアスレチックのような旧道コースを、下りは尾根歩きの続く新道コースを利用したが、両コースとも山歩きの楽しさに満ちていた。
知床連山、オホーツク海、摩周湖、屈斜路湖と、道東一円を見渡せる山頂の眺めも素晴らしかった。北海道の広々とした大地を実感できる大パノラマは、忘れ難い印象を残してくれた。
今回の旅行では、道東の百名山である雌阿寒岳と斜里岳だけは何としても登りたいと思っていたが、旅行の前半でその目的を達成することができた。下山後は旭川へ向かったが、登山の疲労と絶え間ない睡魔との闘いで、今回の旅行で一番キツイ移動になった。