金峰山
2,599 m
登山日/天候 | 2008年11月2日 日曜 / 晴れ |
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ルート所要時間 | 瑞牆山荘7:05→富士見平小屋7:50→8:50大日小屋9:00→大日岩9:40→10:45砂払ノ頭11:00→12:20金峰山山頂12:45→13:00岩場で昼食13:25→砂払ノ頭14:05→14:45大日岩14:55→大日小屋15:20→富士見平小屋16:00→瑞牆山荘16:25 |
難易度データ (≒) | 標高差 : 1,089m / 累積標高差 : 1,200m / 歩行距離 : 11.2km / 標準歩行時間 : 7時間5分 |
行きに寄ったコンビニからの綺麗な朝焼け。
増富ラジウムラインの通仙峡周辺は綺麗に紅葉していた。
現地まで思ったよりも時間がかかった。瑞牆山荘前の無料駐車場にはすでにほぼ満車だった。
瑞牆山荘前からシラカバやミズナラの緩やかな樹林帯を歩く。
林道を横切ってひと登りすると尾根上に出る。
樹間から瑞牆山の独特の山容が見えた。
休んでいる団体を尻目に先へ進む。
7:50 瑞牆山との分岐になる富士見平小屋に到着。
小屋の向かいはテント場になっていた。
小屋付近の樹間から富士山が見えた。
瑞牆山へ向かう人がほとんどだったので、ここからは静かな上りとなった。
緩やかな尾根を上って、飯森山の裾野を巻きながら進む。
鷹見岩の分岐からしばらくすると大日小屋に到着。テントをいくつか目にした。
簡単なくさり場や岩をよじ登る。出だしは嫁の体調が悪く、先行きが案じられた。
大日岩までは急坂が続いていた。ゆっくりと上る。
樹林帯の切れた大日岩の基部から南アルプスがよく見えた。手前の山は鷹見岩(2092m)。
左から笊ヶ岳(ざるがたけ)、上河内岳、聖岳、赤石岳、悪沢岳、蝙蝠岳。
左から蝙蝠岳、塩見岳、農鳥岳、間ノ岳、北岳。
さらに仙丈ヶ岳、甲斐駒ヶ岳、鋸岳と続く。
岩場からの壮大な眺めをしばし楽しんだ。
空木岳(うつぎだけ)や木曽駒ケ岳など、中央アルプスもよく見えていた。
御嶽山もはっきり見えていた。
岩の基部を上ると、小川山との分岐となる大日岩に到着した。巨大な岩が青空によく映えていた。
大日岩からは緩やかな尾根道と急坂が続く。高度のせいか息が切れた。
展望のない樹林帯をひたすら歩く。急坂を上り終えて森林限界を越えると一気に視界が開けた。
砂払ノ頭に出ると雄大な展望が広がっていた。
富士山、南アルプス、八ヶ岳と名峰がずらりと並ぶ。
山の裾野は絨毯を敷き詰めたように見事に黄葉していた。気分は爽快、疲れも吹き飛んだ。
秀麗な富士山。
砂払ノ頭から少し上ったところで写真をたくさん撮った。
八ヶ岳の手前には要塞のような瑞牆山が見えた。
さらに岩稜を上っていく。
南側が切れ落ちた千代ノ吹上から山頂までの見事な稜線が視界に入ってきた。
ゴツゴツした露岩が続くのでストックをしまった。
切り立った岩稜の上で一休み。
波のような稜線の山を一つ越えるとまた次の山が現れるという感じで、たえず見えている山頂の五丈石が、なかなか近づいてこない。
稜線に出てから登山者の姿が急激に増えた。
急峻な千代ノ吹上。
八ヶ岳の左奥には真っ白く冠雪した乗鞍岳がよく見えた。一度登った山が見えると自然と嬉しくなる。
なかなか近づいてこない山頂。
椅子代わりになる岩がたくさんあるので、休憩場所には事欠かない。
まだひと山あるのかと、最後はさすがに疲れてきた。
ついに五丈石の手前まできた。
食事をするのに丁度良い岩場があったので、そこにリュックを置いて山頂へ向かった。
12:15 五丈石に到着。スタートから5時間ちょっとでここまで来た。
山頂と五丈石の間は広場のようだった。
岩がゴロゴロした山頂は人で一杯。風が強くて体が一気に冷えてしまった。
順番待ちをして記念撮影。強風に帽子を飛ばされる人がいたが、私は垂れてしまった鼻水を飛ばされた。
南東方向。左から三頭山、大菩薩嶺、丹沢山と蛭ヶ岳、大室山、御正体山、神山、三ツ峠山と続く。
南方面。富士山、毛無山、十枚山、七面山(しちめんざん)と続く。
北東方面。朝日岳へと続く稜線の向こうには奥秩父の山並が見える。左から赤久縄山(あかぐなやま)、御荷鉾山(みかぼやま)、両神山、右に大きく三宝山と甲武信ヶ岳。
御荷鉾山とギザギザの両神山。
大弛峠のある東方面。朝日岳、国師ヶ岳、北奥千丈岳(きたおくせんじょうだけ)と続く。
再び富士山。
広々とした山頂と五丈石。体が凍えて長くは山頂にいられなかった。
あまりの強風と寒さに、娘と嫁は早く下りたいようだった。
最後に五丈石で写真を撮って下山した。
急峻な金峰山の稜線を眺めながらリュックの場所まで下りた。危うく通り過ぎそうになった。
眼下に登ってきた金峰山の稜線と瑞牆山がよく見えた。その向こうは八ヶ岳。
瑞牆山の隣、北側には小川山が大きい。その後ろには浅間山も見えていた。
風の当たらない岩稜の南側で食事にした。
日差しがぽかぽかと暖かく、眺めも最高の場所だった。
下山開始。
上ってきた稜線を眺めると感慨もひとしおだが、13時をまわって下山時刻が気になり始めた。
下りもまた素晴らしい展望が続く。前後の登山者を気にしながらの写真撮影に忙しかった。
稜線の向こうに南アルプスと八ヶ岳と望みながら、ひたすら下る。
いつしか登山者の姿が少なくなっていた。
砂払ノ頭からは展望のない樹林帯となる。
時間は押していたが、名残惜しかった。
急坂の続く樹林帯をどんどん下る。嫁の体調はよくなったが、今度は私のペースが上がらなくなった。
大日岩で短い休憩をとって、さらに下る。
高度が下がったためか、大日小屋あたりから少し体が楽になった。
少し速過ぎるくらいだったが、後半は娘がよいペースメーカーになってくれた。富士見平小屋では多くの登山者が休んでいたが、我が家はそのまま歩き続けた。
最後は小走りに近いくらいのペースだったが、何とかついて行った。
16:25 瑞牆山荘に到着。9時間20分の山行をついに乗り切った。すでに駐車場はガラガラ。金峰山はまぎれもない名峰であった。
清里キャンプの2日目に待望の金峰山登山を敢行した。前夜21時過ぎに寝たこともあり、4時にはすっきり目が覚めた。5:30 キャンプ場出発、6:45 現地到着。まず登山客の多さに驚いたが、大半は瑞牆山へ向かったため、分岐の富士見平小屋から稜線に出るまでは比較的静かな山歩きが楽しめた。森林限界を越える砂払ノ頭からは富士山、南アルプス、八ヶ岳など、名峰を眺めながらの稜線歩きとなり、開放感ある眺めに疲れを忘れた。五丈石が見えてからの道のりが見た目よりも遠く、山頂では強風による寒さに凍えたが、360度の大展望と素晴らしい稜線歩きがすべてに報いてくれた。山頂から少し下った絶壁の上でお昼にしたが、雄大に広がる景色を眺めながらの食事は格別のものだった。スタートが予定よりも遅れ、嫁の調子もなかなか上がらなかったため、時間的に余裕のない山行となったが、下りは娘のスピードに引っ張られてコースタイムどおりに歩き、暗くなる前に下山することができた。
当初は負担の少ない大弛峠からの往復も考えていたのだが、本コースを選択して正解だった。奥秩父の盟主と呼ばれる金峰山の魅力は、山頂の展望だけではなく、開放感抜群の長い稜線歩きにある。丸一日の山登りに疲れたが、天候にも恵まれて大満足の山行となった。