2日目

横岳・硫黄岳

2,829m  2,760m

 4時半に目が覚めた。前夜ぐっすり寝て快適な朝を迎えたが、外は強風の上、深い霧で真っ白だった。5時半から朝食を取り、6時半頃 天望荘を後にした。横岳へ続く稜線は強い風と霧で覆われ、視界不良のままサイドの切れ落ちた岩稜を進んだ。展望はまったくなかったものの、スリリングなコース自体の面白さは十分感じられたし、高山植物の多様さも目を楽しませてくれた。硫黄岳山荘の手前からは霧が晴れる瞬間も増えて、赤岩の頭では横岳から硫黄岳に続く稜線を眺めることができた。この日の稜線歩きは霧と風に悩まされたが、厳しく変わりやすい山の姿を体感したことは貴重な経験となった。山頂と主稜線からの展望は次回の課題としたい。

 我が家の場合、下りだけはいつも早いが、今回もどんどん下ってコースタイムを随分上回り、その後の予定が楽になった。帰りも駐車場から美濃戸口までの悪路に大苦戦し、2回車体の底を擦って冷や汗が出た。たかだか2kmほどの距離だが、緊張で肩がガチガチにこってしまった。

登山コースデータ
登山日/天候 2009年8月25日 火曜 / 濃霧時々晴れ
ルート所要時間 赤岳天望荘6:35→三叉峰7:55→横岳(奥ノ院)8:15→8:50硫黄岳山荘9:00→9:25硫黄岳10:10→10:20赤岩の頭10:50→11:40赤岳鉱泉12:00→堰堤広場12:40→やまのこ村駐車場(美濃戸)13:15
難易度データ (≒) 標高差 : 1,220m / 歩行距離 : 16.5km / 標準歩行時間 : 10時間10分

5:00 外に出てみると回りは霧で真っ白だった。

未明に発電機の振動で小屋が揺れていた。

5:30 に朝食をいただき、その時 娘の分だけ弁当(1千円)を頼んだ。

6:30 に霧の中を出発した。

風が強く、西から東へ霧が流されていく。前を歩くハイカーの姿が霧で見えなくなるような状態が続いた。

10分足らずで地蔵仏のある地蔵尾根分岐に着いた。ここからいよいよ横岳縦走の核心部に入る。

頭の上は青空がのぞいているのに、周囲は真っ白な霧の世界。

霧の中から突き出た岩峰が見えてきた。

最初に出てきた鉄梯子。しっかりとしているので不安はない。

一人ずつ慎重に進んだ。

霧の中を進む。

あたりは幽玄な雰囲気につつまれ、一体どこへ来たのかという感じがした。

二十三夜峰が近づいてきた。

山道脇にはイブキジャコウソウが咲いていた。

再び梯子を上る。

尖った二十三夜峰を左上に見ながら岩場を通過して行く。

次は日ノ岳に取りつく。

大きな一枚岩の東側を巻くようにトラバースしてから岩壁を上っていく。

タカネナデシコ。岩壁には高山植物がたくさん咲いていた。

イワベンケイ。

コバノコゴメグサ。

ミヤマシオガマ。目につく花を撮りながら進んだ。

いったん稜線に出て、次は鉾岳の西側を巻くようにしてトラバースして行く。

左はスパッと切れ落ちている。

西側の谷は霧に埋もれていた。

晴れの日には目も眩む高度感がありそうに感じた。

鉾岳のコルに出て、さらに石尊峰へ続く岩場をよじ登る。

スリリングなルートが続いた。

7:40 石尊峰に到着。

大権現と刻まれた石碑があったが、横岳最高地点の大権現ではなかったようだ。

阿弥陀岳の山頂でも見かけたイワヒバリがここでもうろうろしていた。

さらに上る。

杣添(そまぞえ)尾根分岐のある三叉峰(さんじゃほう)に着いた。

現在地を確認して進む。

奥ノ院に着く5分前になだらかなピークを通過したが、そこが横岳最高地点の大権現だったと思われる。

晴れそうで霧は晴れない。

8:15 奥ノ院に到着。

大権現にあるはずの2,829m標識がここに立っていた。まったくややこしいぞ。

奥ノ院の先はクサリのついたヤセ尾根。

東側の梯子を下って金網の桟道を渡る。稜線上は強風が続いていた。

ルート上の鉄梯子を登るともとの場所に戻ってしまった。

もう一つのルートだったらしく、降りて先へ進んだ。

カニの横ばいを進む。

クサリの下にしっかり足場があったので、さほどの危険は感じなかった。

稜線に出てからは、なだらかな砂礫の道を下って行く。横岳の岩峰帯はスリルがあって面白かった。

西側の斜面にはコマクサが群生していた。

大ダルミにさしかかると、霧が途切れて晴れ間の広がる瞬間が増えてきた。

硫黄岳山荘が見えてきた。

8:50 硫黄岳山荘に到着。しばらく休んでから硫黄岳へ向かった。

吹き付ける強風の中、なだらかな稜線を歩いた。

霧が発生したときのために7つのケルンが目印になっている。

9:25 広々とした硫黄岳の山頂に到着。

ホシガラスがその辺をうろうろしていた。

西側から沸き出た霧が強風にあおられて、大ダルミの稜線上を東へ吹き抜けていく。

北側の爆裂火口。

火口壁から下を覗くと吸い込まれそうになる。

火口壁の周囲を歩いてまわるハイカーの姿もあった。下山時間を計算しながら霧が晴れるのを待った。

10:10 霧が晴れそうもないので下山開始。

名残惜しい気もしたが、午後のテント設営が気になり始めた。

10分ほどで赤岩の頭に到着。霧の晴れ間に横岳の稜線が見え隠れし始めた。

しばらく待つと大ダルミから硫黄岳の稜線が青空に浮かび上がった。

大ダルミの硫黄岳山荘もよく見えたが、あっという間に霧に隠れる。

赤岳も霧の向こうに僅かに見えた。

中岳は霧の切れ間に何度か見えた。

三脚をセットし、横岳が見えるのを待って記念撮影した。

見えてきた横岳の稜線。消えそうで消えない霧に振り回された。

10:50 下山再開。

時間が押してきたので、ジグザクに続くシラビソの樹林帯をどんどん下った。

途中の山道に野鳥が現れた。見たことのない斑点模様だったが、どうもルリビタキの幼鳥と思われる。

メイゲツソウ。下りの山道でも多くの高山植物を目にした。

ヤマハハコ。

ひたすら下る。

11:40 赤岳鉱泉に到着。コースタイムを大幅に上回り、予定時間の遅れを取り戻した。

硫黄岳から横岳に続く稜線がよく見えた。大同心が角のようにそそり立っていた。

赤岳鉱泉を過ぎるとなだらかな下りが続く。

酸化鉄のためだろうか、川が赤かった。

気がつくと、背後の横岳が遠くなっていた。

丸木橋を何度も渡り、北沢沿いを歩いて行く。

早く下山してキャンプ場に行きたかったので、ほとんど休まずに進んだ。

山道脇で見かけたクジャクチョウ。

大きな堰堤に出て登山道は終わり、ここからは林道となる。

砂利道歩きがひじょうに疲れた。

途中、近道をしてまた林道に戻る。

赤岳鉱泉に宿泊すると思われる多くの中高年ハイカーとすれ違った。

30分ほど林道を歩くと美濃戸山荘に着いた。

美濃戸山荘からやまのこ村駐車場は5分ほど。さすがに疲れました。