2010年5月2日 日曜日

権現岳

2,715 m

 キャンプ2日目は権現岳と決めていたが、嫁が風邪気味だったので、当日朝の体調を確認してから最終的に登ることを決めた。キャンプ場のゲートは7時にならないと開かないので、前夜のうちにゲートの外に車を停めておき、5時過ぎに出発した。思っていたより積雪が多く、前三ツ頭までの長い急坂には苦戦したが、最後まで快調なペースで登ることができた。体調がいまひとつの嫁は身体が重そうだったが、何とか頑張ってくれた。前日の瑞牆山に続く2日連続の登山にして本格的な雪山、日帰りぎりぎりのロングコースと、わが家にしては大きなチャレンジだったが、困難である分、得たものも大きかった。三ツ頭からみた八ヶ岳と空にかかる二重の虹、権現岳山頂からの眺めと下りで降りだした雪など、印象に残る出来事は多かったが、それ以上にやり切ったという達成感を強く感じる山行となった。行動時間は10時間を超えて、体力的な自信も得ることが出来た。

 危険箇所と心配していた山頂手前の雪のトラバース・ポイントも、地元のおじいさんが朝からステップを切ってくれていたお陰で、無事にクリアすることができた。(前日まではそこで引き返す人が多かったらしい) その話し好きの可愛らしいおじいさんとは休憩していた下りの前三ツ頭でまた一緒になり、娘にと八ヶ岳やニホンカモシカの素敵な写真を分けてくれた。開けた心を感じさせる何とも感じのよいおじいさんであった。

登山コースデータ
単純標高差 : 1,185 m
累積標高差 : 1,240 m
コース距離 : 10.2 km
標準コースタイム : 8 時間
歩行データ
総歩行時間 : 8 時間 5 分
総行動時間 : 10 時間 25 分

 コースタイム

天女山駐車場 6:15 → 天ノ河原 6:30 → 9:10 前三ツ頭 9:35 → 10:25 三ツ頭 10:45 → 11:45 権現岳山頂 13:00 → 三ツ頭 13:55 → 14:35 前三ツ頭 14:55 → 天ノ河原 16:30 → 天女山駐車場 16:40

5:45 天女山の駐車場に到着。三ツ頭と権現岳(右奥)が見えた。

朝食をとって、6:15 に出発。

15分で見晴らしのよい天ノ河原に到着。

南アルプスがよく見えていた。

カラマツ林の緩やかな斜面を上って行く。開けた場所に出ると、正面に三ツ頭と権現岳が見えた。

徐々に傾斜がキツくなり、雪の残る斜面も増えてきた。

8:00 軽アイゼンを装着した。

前三ツ頭までは急斜面が続く。

樹林帯が切れると前三ツ頭が見えたが、ここからがまた遠かった。

背後の南東方面に富士山が見えた。この日は時間とともに見えなくなってしまった。

等高線を見ても前三ツ頭までが一番キツイ。

ここを乗り切れば、と思いながらひたすら上った。

9:10 樹林帯の急斜面を上りつめて前三ツ頭に到着。南アルプスがよく見えた。

アイゼン装着の時間を除くと、ほぼコースタイム通りにきた。

ゆっくり休んでから再出発。

下りてきたおじさんハイカーが、今年の前三ツは雪が2倍多いと言っていた。

強烈な雪の照り返しを受けながら歩いた。

このペースなら、権現岳まで行けると自信が出てきた。

針葉樹林やダケカンバの尾根を歩く。木々が縞枯れのようになっていた。

甲斐小泉駅からの南尾根コースと合流する三ツ頭の肩までくると、西に編笠山が見えてきた。

三ツ頭の肩から開けた尾根を進むと、三ツ頭までは約10分ほど。

10:25 三ツ頭に到着。

適当な岩に腰を下ろしてひと休みした。

三ツ頭から見る八ヶ岳。左に先鋭な権現岳、阿弥陀岳と中岳を挟んで右には赤岳。

ここまで来たら権現岳にどうしても登りたくなってきた。

空に日暈(ひがさ)がかかっていることに娘が気づいた。

嫁は身体が重そうだったが、十分時間はあるので権現岳へ向かった。八ヶ岳を前方に見ながら進む。

少し下ってから急坂となるが、あと1時間で山頂だとわくわくしながら樹林帯へ入った。

太陽にかかる日暈(ひがさ)が2重になっていることに、また娘が気づいた。

積雪した急坂を上る。

しばらく上ると権現岳山頂の岩が見えてきた。

先へ進むと山頂の岩峰は見えなくなり、行く手を阻むように山頂下の岩壁が近づいてくる。

岩壁付近に雪降ろしをしているように見える人の姿が見えた。

岩壁の下まで行くと、危険がないようにルート工作をしているのだと分かった。

一番危険なトラバースポイント。おじいさんがステップを切っていなければとても通れなかった。

危険な箇所をクリアしてさらに上る。

おじいさんに感謝しながら山頂直下の急斜面を上る。

出発から5時間半で権現岳山頂部に到着。

まずは山頂部の岩場に場所を確保した。

山頂の岩に登ると団体がやってきて、次々にカメラを頼まれた。おばさん達の図々しさには参った。

団体ハイカーが去った後に単独ハイカーが登ってきたので、記念写真をお願いした。

山頂の岩からみた八ヶ岳。左から阿弥陀岳、硫黄岳、横岳、赤岳と続く。

阿弥陀岳の左奥には蓼科山が見えた。手前の旭岳には団体ハイカーの姿があった。

編笠山。遠くは霞んでいて中央アルプスなどは見えなかった。

嫁と娘が山頂の岩から下りてしまった後も、しばらく写真を撮り続けた。

権現岳の西側にはギボシが大きく迫っている。稜線を歩いてくるハイカーの姿が見えた。

南アルプスは朝よりも霞んでいた。

時間に余裕があったので、山頂部でのんびりくつろいだ。

娘の後ろはすっぱり切れ落ちている。

「為せば成る」と満足感にひたった。

いつの間にか、山頂はわが家だけになっていた。

13:00 下山開始。

おじいさんの働きで、トラバースポイントはさらに歩きやすくなっていた。

三ツ頭への稜線が見ながら、雪の急斜面を慎重に下って行く。

名残惜しいが、どんどん高度を下げていく。

雪がゆるんでズボッと踏み抜くことが度々あった。

場所によっては膝上まで踏み抜いて、ストックはグリップまで埋まってしまった。

下りきった後は三ツ頭まで緩やかな上りとなる。

雪の照り返しが眩しかった。

北から雲が出てきていたが、三ツ頭から見る八ヶ岳はやはり圧巻の迫力であった。

それほど疲れを感じていなかったので、そのまま前三ツ頭へ向かった。

驚いたことに途中から雪が舞い始めた。

広々した尾根に出たので、すぐそこかと思ったら、前三ツ頭はまだ先だった。

14:35 山頂から1時間35分で前三ツ頭に到着。

ここで追いついてきたおじいさんに写真を頂き、しばらく話をした。

前三ツ頭から眺めた南アルプス。

前三ツ頭からの下りはひたすら長くて急だった。よく上ってきたと感心するほど雪の急斜面が続いていた。

下りになってから嫁の調子が上がってきた。快調なペースでどんどん下って行く。

積雪のない場所も増えてきたが、雪の斜面が所々残っているので、なかなかアイゼンを外せなかった。

15:40 積雪がほとんどなくなったので、アイゼンを外して、さらに進んだ。

やっと樹林帯から開けた場所に出た。

振り返ると、遠くに三ツ頭と権現岳が見えた。

前三ツ頭からの下りはコースタイムを大幅に上回った。

権現岳へのチャレンジは大成功に終わった。